桜奉行

出久根達郎先生の『桜奉行』が、養徳社から刊行されています。

幕末、外国奉行としてロシアと交渉し、遠国奉行として、奈良でも五年間、奉行職を務めた川路聖謨を描いた小説です。

その、『川路聖謨と奈良を学ぶ会』の第2回講座が、昨日、川路聖謨の研究をされている中学校の教頭先生を講師に迎えて、奈良県立文化会館小ホールで開催されました。

たった五年ではありますが、川路聖謨が奈良に残した功績は大きく、『桜奉行』のタイトルになっているように、奈良に桜の植樹をしたことでも名を知られている方です。

 

歴史の表舞台で活躍しながら、その割には歴史的な評価、知名度が低い人物の一人ではないかと思われますが、坂本龍馬の功績も、司馬遼太郎先生の小説がなければ、現代における人気もなかったのではないかと考えられる点を思料いたしますと、出久根達郎先生の『桜奉行』によって、川路聖謨の名前も世の中に広く知られ、いずれはNHK大河ドラマにも取り上げられるのではないか、などと勝手に思っております。

 

ちなみに老婆心ながら申し上げておきますが、お白洲で片肌脱いで、

「おうおうおう! この桜吹雪が目に入らねえのか!」

なんてお奉行様とは、まったく違いますので……

 

え?

(そんなことを最初に思ってしまう奴は、オマエの他におれへん!)

 

『桜奉行』の題名を見て、アタシが遠山の金さんと間違うたことが、なんでアンタにわかしましたんや……