《三題噺の会IN奈良》で出ましたお題は、
〈奈良の大仏〉〈三日月〉〈ガラスの少年〉
でした。
〈ガラスの少年〉は、これを歌って大ヒットさせたキンキキッズの堂本君が(堂本君ですが……)奈良出身ということで出されたようです。
今回のお題について、たとえば、桂米朝師の、
「奈良の大仏で有名な東大寺に盗みに入った泥棒が、南大門の仁王に見つかってつかみあげられて、床にべちゃっと叩き付けられたとたんに、ぶっと一発屁をかましてふりかえって、
『におう(仁王)か』
という小噺を披露すればよかったな、と今さらながら後悔しております。
「奈良の大仏様の目が内側に落ちたときに、子供を連れた老人が訪れて、鉤のついた縄をその目の縁に引っ掛け、子供がその縄を伝って中に落ちた大仏様の目を内側からはめて元通りに直しました。でも、そうなると子供は中から出てこられません。どうなることやらと、たくさんの見物人が見ておりますと、子供は大仏様の鼻の穴から出てきました。
『ああ、目から鼻へ抜けた』」
という、江戸時代の小噺も紹介すればよかったな、と今さらながら後悔しております。
「戦乱にあって奈良の大夫様が野晒しになってりましたときに、夜中に大仏様のお顔にどろを擦り付けるけるということが二日続いたときに、さすがに坊さんたちも怒りまして、三日目の晩にちょうど泥を擦り付けている不届きものをつかまえました。
『大仏様の顔に泥を擦り付けて、許されると思うか』
と坊さんたちが言いましたら、
『今夜までは許させる』
『なんでや』
『仏の顔も三度まで』」
という、自作の小噺も紹介すればよかったな、と今さらながら後悔しております。
後悔しきり、反省ばかりの会でした……