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身の程知らず

古典に、謡の名人が声を発すると、隣室の下手な止んだので、翌日、その名人の弟子が、

「今日も隣の下手な謡を止めさせてください」

と申しましたところ、

「今日のは無理だ」

「どうしてですか」

「前夜は、こちらの声に自分を恥じて止めたが、今夜の手合いは、それを聞き分ける技量もない身の程知らずだ」

てな話があります。

 

カラオケに参りますと、ちょうちょい下手な歌が聞こえて参ります。

基本的には、誰でも楽しく歌っていいと思っておりますが、アタクシ、ついついそれを黙らせてやろうと思ってより一層声を張り上げて歌ってしまいます。

でも、アタクシの歌を聞いても止めない人が多く、

「現代は、身の程知らずがたくさんいる時代なんだな……」

なんて思ったことを、例によって例の友人に話しましたところ、

「キミの場合、隣室の名人の歌に気づいて恥じなければならないのが、実は自分である自分であるということに、まず気づくべきだろう」

 

先日の《三題噺の会IN奈良》で、アタクシ、8曲ほど歌ってしまっておりました……