天の与ふるを取らざれば、反ってその咎を受く

昨日の阪神VSヤクルトで、乱闘になって双方退場者が出たのは、藤浪投手の投じた一球が、打者の頭に当たったことがきっかけだったようですが、ルールに従えば、危険球として主審が投手に退場を命じていたら、混乱は避けられていたのではないかと、野球解説の吉田さんがおっしゃていました。

 

『断ずべきに断ざれば、反って其の乱を招く』

という言葉があります。

〈断処すべき時にためらって処断しないと、あとになってかえってその災害を招くにいたること〉(中国故事名言辞典 角川書店

という意味ですが、ちょうど、主審が危険球と断じなかったために混乱を招いた、という状況にあてはまるように思いました。

 

これと対句的に用いられておりますのが、

『天の与ふるを取らざれ、反ってその咎を受く』

という言葉だそうで、これには、

〈天恵ともいうべき事態や好機を見逃せば、逆に天の罰で禍を受けることがある。天の与えるものを受け取らないと、逆にとがめを受けて禍を招く〉(中国故事名言辞典 角川書店

という意味があるそうです。

 

昨日の阪神VSヤクルト戦から、なんとなく連想した二つの言葉を、例の友人になんとなく語ったところ、

「キミの場合、二つとも当てはまるよね」

と申しましたので、

「確かに、周囲によく思われたくて、『断ずべきに断ざれば、反って其の乱を招く』ことはあるけど、『天の与ふるを取らざれ、反ってその咎を受く』ということはない」

と返しましたら、

「そうそう、ごめんごめん。ボクが間違うてた。キミの場合、まず、天が与えてくれるものなんか、なかったもんな」

 

「わかっててたら、それでええ」