今日の『サワコの朝』(MBSテレビ)のゲストは、作家の湊かなえさんでした。
子供のころ、作文は好きではなく、若い時分から小説を書いていたわけでもなく、結婚してから最初に取り組んだのが、シナリオだったそうです。
もちろん、シナリオ教室や小説学校なんて養成所に通うことはしていらっしゃらないようでした。
面白かったのは、シナリオコンテストで佳作に選ばれて東京の授賞式に行ったときに、地方に住んでいてシナリオライターとしてやっていくの難しい、ということを知らされて、だったら、小説を書こうと思い、どうせ書くなら、台詞が三行以上になってはいけないというシナリオの鉄則を破って書いた『告白』が、映画になった、というお話でした。
シナリオの掟を破った小説が、映画のシナリオになっているということです。
教室、学校、養成所を否定するわけではありませんが、そこで教えられていることに囚われていては、却ってよい作品は生まれない、ということも言えるのではないかと思います。
もう一つ、どうすれば相手は嫌がるのかということを考えるのも面白い、てなこともおっしゃっていました。
誰かに小説の書き方を習ったわけでもなく、人の嫌がることを想像するアタクシには、作家の才能があるはずだと、改めて思った次第でありますが、どうしていまだに小説家になっていないのだろうかと、例によって例の友人に申しましたところ、
「人間、己を知って諦めることも大事なんだよ」
と、諭されました……