あしたのジローと袋とじ

新作『あしたのジロー』(原作・森高夕次さん 作画・荒木光さん)が、秋田書店の『ヤングチャンピオン』と双葉社の『漫画アクション』に、交互に連載されるそうです。

異なる出版社が、同じ作品を交互に連載するなどということは、かつてなかったことですが、過日、『週刊少年マガジン』(講談社)も、少年としては初の袋とじを試みています。

 

毎年、姿を消す出版社も少なくないようで、他業種大手企業の傘下に入って生き延びるところもあるようです。

 

いずれも、出版業界の不振を象徴することではないかと思いますが、同時に少子化から人口減少に向かう日本の象徴でもあるように思います。

 

一方で、長く人気を博している漫画も多く、海外では日本のアニメが輸出コンテンツになっていることを考え合わせてみると、業界の縮小と捉えるのではなく、淘汰の時代に入っていると考えることもできるかと思います。

 

同一作品の二社交互連載にしろ、少年誌の袋とじ企画にしろ、淘汰の時代だからこそ、生まれた、掟破りの打開策かと思います。

 

『あしたのジロー』は、『あしたのジョー』(原作・梶原一騎さん 作画・ちばてつやさん 週刊少年マガジン 講談社)を連想させる内容のようですが、もしそうだとしたら、まさに漫画誌の、

「明日はどっちだ?」

という作品になるのでしょうか。