今朝のNHKのニュース。
世界の動画ザッピングのコーナーで、インタビューに答えていたときに口の中に蜂が入って、それを食べてしまったコスタリカのソリス大統領の動画が映じられました。
そのときの大統領のコメントが、
「純粋なタンパク質だ」
でしたと、述べたあとで高瀬耕造アナウンサー、
「私だったら、どう言うか、考えてみました。……また、いらぬ殺生をしてしまった……」
傍にいる和久田麻由子アナウンサーが、いつもならそうしたアドリブに反応しているところですが、今回、それがなかったのは、彼女に日本語の教養が不足していた…… いえ、いくらNHKのアナウンサーとはいえ、若い女性アナウンサーである和久田さんにそれを求めるのは、あまりに酷かもしれません。
「また、いらぬ殺生をしてしまった」
あるいは、
「また、無益な殺生をしてしまった」
という台詞は、時代劇で凄腕の浪人が、行きがかり上、仕方なく悪い奴らを斬ったときに口にする台詞で、アタクシも子供の頃、使っておりました。
夏に蚊や蠅を退治するたびに、
「また、無益な殺生をしてしまった……」
「越後屋、そちも悪よのう」
「いえいえお代官様ほどでは……」
や、
「もそっとこちらへまいれ、そちも承知の上でまいったのであろう」
てな時代劇の台詞を使う機会は、まだ日常にあります。
でも、時代劇ではない現代の日本においてほんとうに殺生ができるわけではなく、また、建物の中から蚊や蠅をすっかり追い出してしまった今では、
「また、いらぬ殺生をしてしまった」
「また、無益な殺生をしてしまった」
とういう台詞を使う機会は、すっかりなくなっていました。
それを思えば、民放ではない、あのNHKの、しかもそのNHKの顔とも言える朝のニュースで、メインである高瀬アナウンサーが口にされたということは、もうそれだけで偉業と言っていいかと思うほどの、あるいは今年の流行語大賞名台詞復活部門(あったかな?)にノミネートされてもいいほどの快挙ではないかと思います。
おっと、つい調子にのってしまって、また、無益なブログを更新してしまいました……