〈勝ち組負け組〉〈ウィンウィン〉と家康の遺訓

世の中、

〈勝ち組〉〈負け組〉

てな言葉が、いまだに幅を利かせています。

 

〈ウィンウィンの関係〉

なんて言葉も出回っております。

 

ということは、日本に昔からある考え方を忘れて、こんな言葉に踊らされている人が少なくないということになるのではないかと思います。

 

「オレは勝ち組だ!」

「ボクは負け組だ〜」

勝ち組になっていなければ、

「ワレワレはウィンウィンの関係を目指す……」

てなまやかしに走るのではないかと思います。

 

とにかく勝つ、ということにこだわるという風潮が、自分自身を苦しめる要因になっているように感じているのは、アタクシだけでしょうか……

 

『勝つことばかり知りて負くること知らざれば、害その身に至る』

という言葉は、徳川家康の遺訓だそうです。

 

他に、

『負けて勝つ』

『損して得取れ』

など、日本には単純に勝つことだけにこだわらない言葉があります。

 

あるいは、

急がば回れ

のように、日本人の根底には、直線的に勝敗を決する欧米式の勝利の方程式とは異なる思想文化があるのではないかと思います。

 

そうした日本古来の思想を大切に生きていきたいと、最近、改めて思います。

 

てなことを例によって例の友人に語りましたとところ、

「キミ、最近、屈辱感にまみれているやろ」

とツッコミを入れられましたが、さすがに図星だとは答えられずに黙っておりましたら、

「キミの場合、なにも今に始まったことやないやろ。今まで通り、ずっと勝ちを譲る生き方でええやないか」

と、妙な慰め方をされました……