現代の日本を代表する世界的な作家、村上春樹さんは、一日に原稿用紙十枚書くことを自分に課し、校正に時間をかけるそうです。
でも、プロットはもちろん、あらすじを考えることなく、小説を書いていらっしゃるようです。
つまり、自分でもどんな方向に話を持っていくかということを、考えていらっしゃらないということのようです。
池波正太郎先生は、シリーズとなった『鬼平犯科帳』の中のいくつかは、何となく描き始めてできた作品だと、どこかにお書きになっていようなた記憶が、アタクシの脳みそのごこかにございます。
もちろん、他にもプロットを考えずに執筆される作家はいらっしゃるようです。
村上春樹さんの『鏡』は、顕在意識と潜在意識の交差を描いた作品ではないかと思っておりますが、おそらく、村上春樹さん自身、潜在意識の中にある何かを、うまく引き出す術を持っておられるのではないかと思います。
霊的には自動書記と呼ばれ、あるいは、石ノ森章太郎先生のように小さなピラミッドに身を置いて宇宙との交信を図っている……
そんなことと同様のことがで、村上春樹さんにはできるのかもしれません。
作品を捻り出すための手法、プロットの立て方や箱書きの方法など、いくら学んだとしても、質の高い作品を生みだせるとは限りません。
そんな小手先のテクニックではなく、顕在意識と潜在意識の間を自由に行き来できるようになるための方法を知りたいと思います。
え?
(オマエの場合、潜在意識もカラッポだろうから無駄……)
って、アアタ、そりゃひどい。
自分の潜在意識の中に、自分自身でさえ気付いていない何かが眠っていると思えばこそ、アタシャ、生きていけてるんですよ……
え?
(潜在意識の中に眠ったまま出て来なけりゃ、やっぱりないも同然だ……)