いわゆる『プレ金』、『プレミアム金曜日』は、空振りに終りそうです。
各地で発生している過労死、過労自殺問題から過酷長時間労働を撲滅しようという意識が高まっている中で、この『プレ金』が役立つように思ったのは、言い出しっぺのお上だけだったのかもしれません。
クールビズでネクタイを外す習慣が定着したのは、
〈しなくてもいい〉
という発想だったからだと思います。
『プレ金』でも、
「今日はプレ金だからこれ以上仕事をしなくてもいい」
という意識になればいいようなものですが、実は反対に、
「プレミアム金曜日だから、早く仕事を切り上げなければならない」
つまり、
〈しなければならない〉
という発想になっしまうのが、日本人ではないかと思います。
かつてのモーレツ社員時代には、事務所の壁に、『欲しがりません勝までは』式の威勢のいいスローガンが掲げられていましたが、この手法を使うのもいいかもしれません。
たとえば、管理職の目に付くところに、
《仕事増やすな楽しみ増やせ!》
てな横断幕が貼ってあるとか、社員の机には、合い言葉集とかなんとか銘打って、
《ぼちぼち小休止!》
《今日はこれぐらいにしといたる!》
《何もかも忘れてパーッといきまひょか!》
てなステッカーが貼ってあるとか、終業時間には、
《よい子は帰る時間です》
てな放送を流すとか、あるいはこれらを社員手帳の冒頭に記すとか、そういう発想の方が効果があるのではないかと思います。
これを例によって例の友人に話しましたところ、
「キミの場合、そういう発想の結果、自分の人生がどうなってしまったのか、考えていないよね」