一昨日、千葉県松戸市で衆議院選挙の応援演説に訪れた自由民主党の小泉新次郎氏と立憲民主党の枝野幸男代表がかち合って、小泉新次郎氏は無言の応援演説を行ったそうです。
「巧みに美しく飾っただけの言葉、真実みのない言葉」
という意味の四字熟語、
〈美辞麗句〉
は、よく知られているかと思いますが、その割には世間にはびこっているように思われます。
同じ四字熟語でも、御存知の方は皆無ではないかと思われるのが、
「簡潔な言葉の中に、深い意味や道理が含まれていること。微妙な表現の中に含まれた奥深い総理」
という意味の、
〈微言大義〉
です。
孔子、仏陀に限らず,人徳の備わった方は、大げさな物言いはなさいません。
日常のさりげない情景をとらえて語った言葉の中に、深い意味が込められています。
それを受け取るのは、まさに聴き手次第かと思います。
かつて、桂枝雀師匠は、高座に上がってにこにこするだけでお客様が笑う情景を理想とされていたそうです。
あるいは、戦後、日本語のわからないアメリカ進駐軍の軍人を、名人と呼ばれるある落語家が泣かせたという話を読んだことがあります。
百万の言葉を並べるよりは,たった一言、あるいは無言であることの方が、はるかに人々を引きつけるということを、小泉新次郎氏は思い出させてくれました。
アタクシも改めて、多言を慎み、無言で聴衆を引きつけようかと……
と、例によって例の友人に語ろうといたしましたところ、
「小泉新次郎氏が来たということに意味があり、普段、弁舌爽やかなその小泉新次郎氏が無言だったからこそ、話題になったというこことで、キミがそれを真似るというのは、鵜の真似をする烏と同じである」
「ええと、それって〈微言大義〉なの、それとも……」
ボカ! ドス! ゴン!
誰や!