《人を裁いてはならない》
聖書に記されている言葉です。
あとに、自分が裁かれないために……、という言葉も続いていますが、こうしてわざわざ聖書に記されているということは、〈人間はどれほど人を裁くことが好きな動物であるか〉という証左でもあるかと思います。
昨夜のNHKの『クローズアップ現代+』では、ネットリンチをテーマにしていました。
キーワードとして《歪んだ正義感》を挙げていましたが、悪いことをしでかした奴らや気に入らない者どもを裁いて鉄槌を下してもいい、たとえそれが不確かな情報、間違った情報であってもいい…… しかも、匿名で…… という身勝手な輩に、正義感などありません。
ただ、
「自分は裁かれることなく、人を裁きたい」
そうした願望の表れでしかないように思います。
とはいえ、この聖書の教えを承知している日本人はそれほど多くはないと思います。
ですから日本人は、勧善懲悪の時代劇に登場する大岡越前さんとか遠山の金さんとか仕事人なんかに代わりに裁いてもらってきたのではないかとも思いますし、だから時代劇を復興せよ、なんて安直なオチをつけようなんて気はさらさらありません。
批判されることを承知でもっと突っ込んで言うなら、人間から他者を裁きたいという心根が完全になくなることはないように思います。
アタクシも、以前からこの言葉を存じてはおりますが、裁くというところまでいかないにいたしましても、拙ブログなどをお読みの皆様にはもうおわかりかと思いますが、ついつい他者を批評してしおりますから……
さらに聖書の言葉、マタイによる福音書を読んでおりますと、
《真珠を豚に投げてはいけない》
とあるのを発見いたしまして、
「ああ、〈ブタに真珠〉という言葉は、日本独自の言葉ではなく、聖書から引用されたものなんだな……」
と思ったしだいで、さて、オチをどうしようかと思い悩んだあげくに、こんなオチしか考えつかなかったアタクシを、皆様、どうか裁かないでくだ……
ズキューン!