横綱日馬富士関引退〜誰が礼儀礼節を教えるのか〜

横綱日馬富士関が、貴ノ岩関に対する暴行事件のために引退しました。

 

今日の会見では、貴ノ岩関に、

「礼儀と礼節を教えるため」

と述べ、先輩、年長者といった者は、後輩に礼儀、礼節を教えるのは当たり前のこと、義務だという主旨の発言もあったようです。

 

報道によりますと、貴ノ岩関は師匠からモンゴル人力士の集まりには参加しないように言われていたそうです。

モンゴル人力士同士に関わらず、他の力士と親しくなると、土俵で情に出るからだという話ですが、もし、そうだとして他の力士との交際を極力避けさせつなら、礼儀礼節を教えるのは、師匠ではないかと思います。

 

さらに一部の報道によれば、貴ノ岩関は横綱が礼儀礼節について話しているときに、スマートフォンを操作した点を咎められたそうですが、目上の人が話しているときにスマートフォンを操作する日本の若者は少なくありません。

 

目上の人に限らず、話の最中に断わることもせずにいきなりスマートフォンを操作することが、相手に対して失礼であるということに、彼らは気がついていないということではないかと思います。

気がついていない若輩者に、それが礼儀に反するということを教えなければならないのは、その周囲にいる大人であるはずですが、昨今は、そんな礼儀知らずとトラブルになるのを恐れて、注意する人間は少ないのかもしれません。

 

酒席での暴行、という点に情状酌量の余地はありません。

今回の事件で、ムリ篇にゲンコツと書いて愛に弟子と読ませる大相撲の世界の古い慣習を問題視する方はたくさんいらっしゃるようですが、では、誰が相撲の精神である礼儀礼節を教えなければならないのか、という点に言及されている方は、まだ見かけておりません。

ただ、それを教えようとしていたのが、相撲の精神をもっともよく理解しているはずの日本人ではなかったというところが、アタクシにはなんとも皮肉に思えます。

 

そういうオマエは礼儀礼節とはいかなるものか知っているのか、と問われると困りますが……

え?

(ツッコミを入れようとしたところを、先に言うな!)