昨日、伝楽亭にて《新年会のための新春落語会》が開催されました。
円句師、猿之助師、玄関師、小なん師、かかし師、緑生師など、豪華メンバーによるサ三時間に及ぶ落語会の中で、アタクシ、一人三題噺を口演させていただきました。
お題は、《太鼓橋》《忖度》《いとしこいし》で、地震によって水が染み出るようになった薬庫(くすりぐら)の床の土を掘り出してそこをセメントで固める作業をしている医者のもとを訪れた幼なじみが、しばらく帰って来ないことになったという浮気な医者の奥さんを、その薬庫の床に埋めてセメント詰めにするのではないかと、《忖度》するという噺で、かつて医者と奥さんは、
「《いとしこいし》と口説いて渡った《太鼓橋》。たった三月で高砂や……」
と世上に歌われたほどであったということにいたしまして、交際期間が短かったために大変なことになってしまった医者が、
「急いで渡った太鼓橋」
ではなく、
「石橋を叩いて渡ればよかった……」
という台詞で落としましたところ、二十名ほどのお客様から、拍手をいただきました。
三題噺でこしらえました落語のほとんどは、そのまま二度と高座にかけることはありませんが、今回の薬庫は、少し手直しをしてから、八景師主催の自作落語の会(2月17日14時開演)で高座にかけようかと思っております。
まだ先のことではありますが、よろしければ、皆さんお誘い合わせの上、お越し下さい。