今週号の《an・an〈アンアン〉》(マガジンハウス)を買ってしまいました……
表紙を飾っているフィギュアスケートの羽生選手に引かれたわけではありません。
『思考の整理術』
という文字につい手が伸びて、近くにいた女子高生の、
「キモい……」
や、レジのお姉さんのいつにもましてビジネスライクな低い声に気づかぬふりをしながら読んでみますと、やはり男性向けの思考術読本とは違います。
「男は論理的で女は感情的」
という発想は、男の勝手な理屈で、実は、
〈感情を理論で覆い隠しているのが男で、感情を基盤に理論を構築するのが女性〉
だと、アタクシ、考えておりますが、
〈心に押し寄せる感情を活用して、直感力を養おう〉
なんてところは、まさに男性向けの思考法手ほどき書籍には見られない発想です。
〈客観的にものごとを見る〉
〈視点を変える〉
といった点は、どの書籍にも掲載されているポイントですが、これが、
〈自分の考えを手放し、見方を変えてみよう〉
となりますと、己の考えに固執して、もっと言うなら立場やらプライドやらを捨てられないまま、
「客観的になれ」
「視点を変えろ」
と号令するおっさんに進呈したい言葉であります。
おっさんが本気で視点を変えるためには、たとえ女子高生やレジのお姉さんから誤解を受けようとも、ときどきは女性誌を購入するべきだと、改めて思いました……
でも、16ページに及ぶ羽生選手の写真記事を見て、
「ああ、神様は不公平だ!」
と、目を背けていた自分の醜い心と、アタクシ、やっぱり向き合ってしまいましたぁ……
《目を背けていた何かと向き合う》
なんてのも、
『思考の整理術』
の一つになるかも……