今朝のNHKの『インタビューここから』のゲストは、女優の財前直見さんでした。
財前さんは、いろんな人間になれる俳優と仕事が好きだそうで、
「普通って、幅が広い」
とおっしゃる一方で、殺人犯を演じるときには、この人はどんな人なのか、どうしてこんなことをしたのかを考えて、
「この人の正義はここにあるのか」
と気づかれるそうです。
プライベートでも仕事がらみでも人間関係を構築するにあたって、
「この人はどんな人だろう」
という問いかけが最初のポイントになるのではないかと思います。
たとえば、
「あの人、どんな人?」
と、以前から付き合いのある人などに尋ねると、
「厳しいけれどいい人ですよ」
とか、
「いい人なんだけれど、口の悪いところが玉に傷で……」
とか、
「面白い人……、それだけ……」
なんて評価が返ってきます。
ときどき、
「あの人の価値の基準はね……」
という突っ込んだ評価が出てくることはありますが、誰も、
「あの人の正義はここにあります」
てなことはおっしゃいません。
もちろん、映画やドラマでは作者やシナリオライターが、犯人の正義がどこにあるのかを考えますが、普通の人間の正義の在りようは、財前さんの言葉を借りれば、
「幅が広い」
ということになるかと思います。
そんなことを考えつきましたので、
「あの人はどんな人ですか?」
と尋ねるのではなく、試しに、
「あの人の正義はどこにあるんですか?」
と問いかけたところ、
「え? あの人の正義がどこにあるかをお尋ねですか…… あんさん、普通のお方やおまへんな」
「それは、アタシの人間としての幅が狭いということでっか……」