今朝の《サワコの朝》(MBS)のゲストは、映画監督の山田洋次先生でした。
今では、『家族はつらいよシリーズ』を手がけていらっしゃいますが、若い頃は、ホームドラマなんて、と思っておられたそうです。
でも、あるとき、先輩から、
《脚本の根のところに家族を置くと落ちつく》
と言われて、家族を考えるようになったそうです。
映画に限らず、創作には観客や視聴者、読者には見えないけれど、登場人物がどんな人生を送ってきたのか、その基盤をなす家族を作者は考えておくことが重要である、ということです。
また、最初の監督作品を御覧になって、自分の後ろ姿が映っているようだ、自分のにおいがぷんぷんする、ともおっしゃっていました。
これは、創作した者の人生がそこに映し出されているということで、やはり作者の中にないものをそこに表現することができないという、わかりきった道理を表しているように感じました。
わかりきっているのにそれができないということは、いかに自分が中身のない、痩せた人間であるかということを思い知らされることでもあります。
最近、また少し太ってきたのに……