筒井康隆先生の『捜索の極意と掟』(講談社文庫)は、小説を創るための作法や技法を記したこれまでの同種の書籍とは、一味も二味も違う、まさに筒井康隆先生の面目躍如といった創作指南書であります。
その中の項目の一つに、
《羅列》
があります。
言葉の羅列によって、
《恐怖や熱気や怪奇性を高める》
ことができるそうで、たとえば五木ひろし先生の〈よこはま・たそがれ〉(作詞・山口洋子先生 作曲・平尾昌晃先生 ミノルフォンレコード)は、羅列で物語を歌い上げた傑作と言えるかと思います。
アタクシも、そんなことをやってみたいな、てなことをぼんやり思っておりましたからでしょうか、
〈紀州のドン・ファン覚せい剤怪死22歳妻と謎の家政婦(週刊文春)〉
〈夫婦を引き合わせた「女衒」の同期(週刊新潮)〉
〈妻の紹介者初告白「条件は美人170センチ以上・25歳まで(週刊文春)〉
〈ホスト大好き日人妻(週刊新潮)〉
〈モデル妻は全身シャネル(週刊文春)〉
〈愛犬イブ急死で疑われた家政婦(週刊文春)〉
売れている週刊誌が、この
《羅列》
を見事に駆使していることに気がつきました……
特に、週刊文春さんが最後に羅列されている、
〈水商売時代常連は竹内力〉
に、アタクシ、購入してみようかという気になってしまいました……