筒井康隆先生の《細部》の技法〜米朝首脳会談編〜

筒井康隆先生の『創作の極意と掟』(講談社文庫)の項目の一つ、

 

《細部》

 

には、

 

《神は細部に宿る》

 

という、創作に関する格言とも言える言葉について記されています。

 

〈今ではたいてい手抜きすることへの戒めとして使われている言葉だと思うが〉

 

と述べながら、筒井康隆先生独特の論理を展開されています。

 

昨日の米朝首脳会談の結果について、ロシア外務省のリャプコフ次官は、

 

「『悪魔は細部に宿る』と言われる。内容をよく理解する必要がある」

 

と述べたとNHKが報じていました。

 

《悪魔は細部に宿る》

 

はアタクシも初めて耳にする言葉でしたが、外交や政治に関わる文書には、別の解釈もできるような仕掛けが施されることが、少なからずあるようで、その点について戒めた言葉かと思います。

 

《神は細部に宿る》

 

は、創作にリアリティーを持たせよという箴言であり、

 

《悪魔は細部に宿る》

 

は、交渉を巡る文書は疑ってかかれという呪文であるかと思います。

 

それなら、細部に悪魔が宿るてな小説を書いてみたいような気もいたしますが、どないして書くんやとツッコミを入れられと困ってしまいます……

 

筒井康隆先生、どないしまひょ……