吉野家ホールディングスとすかいらーくホールディングスが、吉野家とガスとなどで使える共通の割引券を発行するという報道が、
《呉越同舟》
という見出しで、今日の日本経済新聞のネット版に記されていました。
御存知の方も少なくないとは思いますが、
〈仲の悪い者同士や敵味方が、同じ場所や境遇にいること〉
という意味で、本来は、
〈仲の悪い者同士でも同じ災難や利害が一致すれば、協力し合ったり助け合ったりするたとえ〉
だと、『新明解四字熟語辞典(三省堂)』に記載されています。
牛丼チェーン同士でもなければ、家族向けレストランチェーン同士ではないので、厳密に言うと、
《呉越同舟》
というわけではないかと思いますが、その隣に、
〈富が巨大で無尽蔵なことのたとえ〉
として、
《呉越之富》
という言葉が載っています。
これは、呉と越の富を合わせたくらいの巨万の富という意味からきている言葉だそうです。
業界2位と4位が合併してトップになった…… てなところで使えそうな言葉ではないかと思いましたが、それがマスコミで使われないのは、もったいないように思います。
同じページに、
〈有力者の威力をかさに着て、勝手に振る舞う者のたとえ〉
である、
《狐仮虎威(こけこい)》[虎の威を借る狐]
という言葉と、
〈いつまでたっても全く進歩のない人のたとえ〉
である、
《呉下阿蒙(ごかのあもう)》
という言葉が並んでているのは、世間でちょいちょい見かけるアホな人間が二人並んでいるようで、実に面白うございます。
こんなことを例によって例の友人に語りましたところ、
「キミは《呉下阿蒙》だよね」