障害者雇用数《水増し》問題

中央省庁が雇用する障害者数を、昨年、国のガイドラインに反する雇用で雇用率を上げていた問題で、発表していた障害者の雇用数、6900人のうち3000人以上が不正に雇用数に算入されていたと報道されています。

この記事の見出しで、多くのメデイアは、

 

《水増し》

 

という言葉を使っています。

 

落語には、〈むらさめ〉〈にわさめ〉〈じきさめ〉てなお酒が出てきます。

〈むらさめ〉は、酒を飲んで村を出た辺りで酔いが醒める、〈にわさめ〉は、店から出たら酔いが醒める、〈じきさめ〉は飲む尻から醒める、てな詐欺みたいなお酒です。

 

「なんや、水っぽい酒やな」

「いや、酒っぽい水です」

 

なんてやりとりから考えますと、

 

《水増し》

 

は、見出しとして不適当かと思います。

落語に倣って見出しをつけるなら、〈酒増し〉ぐらいでいいかと思いますが、馴染みがない言葉では、なんのこやら読み手にはわかりませんが……

 

報道によりますと、障害者雇用に関する指針が周知されず拡大解釈されていたのではないか……、てなことも記されていますが、拡大解釈ができるようなものには、水増しではなく、水物、という言葉のほうが適切ではないかと思いますが、どないでっしゃろ……

 

え?

(真面目な問題に、水を差すな!)

 

そうなんですよねぇ……

本当は、数や水の問題ではなく、障害のある方と向き合う私たち一人一人に突きつけられている問題なんですよねぇ……