《死ぬときくらい好きにさせてよ》
樹木希林さんがお亡くなりになりました。
全身を癌に侵されているという報道があり、早晩お亡くなりになるだろうという状態にありながら、それでも、若い頃からずっと老け役で年齢を重ねられても昔と変わらないイメージのままでしたから、少なくとも映画やテレビでお姿を拝見しておりますうちは、樹木希林さんに限って死ぬなんてことはないんじゃないか、あるいは、亡くなるにしてもずっと先のようになんとなく思っておりましたのは、アタクシだけでしょうか……
演劇を少し習っておりました時に、樹木希林さんの動きが実は緻密に計算されているということを学び、だから自然でありながら存在感のある演技なんだと感心したことがあります。
死についても、達観されていたというよりは、むしろ緻密な計算の上で、死をお迎えになったように思います。
アタクシも、樹木希林さんのように、
《死ぬときくらい好きにさせてよ》
てなことを言いながら、緻密な計算の上で、自然でありながら存在感のある死を迎えることができたら……てなことを例によって例の友人に語りましたら、
「今まで何の計算せずに好きに生きてきたキミやねんから、四の五の言わず、死ぬときも好きにしたらええやないかい!」