先日、ある人から、顕微鏡を持っている人と鏡を持っている人の話を聞きました。
どの家でも鏡はあるけれど、高価な顕微鏡が家にあるうちは裕福だ、なんてそんなレベルの話ではありません。
顕微鏡を持っている人は、その顕微鏡で他者を監観察しているけれど、鏡を持っていなければ、自分の姿を正しくとらえることができません。
鏡を持っている人は、その鏡に映った自分を知ることができますが、顕微鏡を持っていなければ、他者の姿を見ることはできません。
つまり、鏡によって己を知り、顕微鏡によって他者を知ることができる人間が、バランスのとれた人だと言えるということですが、残念ながら、顕微鏡をのぞいては他者についてあれこれ判断を下すけれど、鏡を持っていないから、自分のことがまったくわかっていない人間がいる、あるいは、鏡で自分の姿ばかり眺めていて、他者に関心を持たない人間がいる、ということです。
そのうえで、
「キミの場合、どちらも持ってないよね」
と言われてしまいました……