昨日、伝楽亭にて恒例の新年会が催されました。
午前中、ゆ乃月嬢、みたらし嬢、八楽君がかかし師とともに水回りを中心に掃除をされて、午後、そのみたらし嬢、八楽君を含めた八名が高座を務めました。
圓九師、猿之助師に声をかけましたら、お二人、アタクシと同じく三題噺をやってくださることになりました。
いただいたお題は、
《韋駄天》《伝楽亭》《鏡餅》
二番手に高座に上がった玄関師が、その三題噺をマクラでさらって演じて、アタクシども、
「何をしてくれるんや……」
てなことを言いながら、
〈〝韋駄天〟と言われた男が、嫁さんに言われて〝伝楽亭〟に新年会に行くのに、ミカンをいくつか懐に入れて千林商店街を駆け抜けている途中で、これも〝伝楽亭〟に急いでいた男とぶつかったはずみで、二人転びます。男はミカンを落として拾いますが、ぶつかったもう一人の男は〝鏡餅〟を落として割ってしまいます。新年早々、落として割れた〝鏡餅〟は去年の〝鏡餅〟で、それでも仕方ないから、二人は競うように〝伝楽亭〟の入り口で重なるように飛び込みます。
「なんや、お前ら、重ね餅みたいに入ってきやがって」
それを聞いて〝鏡餅〟落として割った男が、下にいる男のミカンを持って、自分の身体の上に置きます。
「なんや、そんなところにミカンなんか置いて」
「これで、〝鏡餅〟や」
デンデン