イギリスのギネスワールドレコードが昨年4月に世界最高齢男性として認定していた、野中正三さんがお亡くなりになりました。
明治生まれの野中さんが、今年、五月以降まで生きておられたら、明治、大正、昭和、平成と、さらに新しい年号、つまり五代にわたる日本の時代を生きることになる、なんて報道もありましたが、人間の生死は、そんな人間の思惑に関わり訪れます。
そしておそらく、ギネスブックにおいてもっとも頻繁に塗り替えられているのが、この〝世界最高齢〟記録ではないかと思われます。
スポーツ選手などが、
〈記録に残るよりも記憶に残る選手でありたい〉
なんてことをおっしゃっているようですが、その伝で申しますと、好みのタイプの女性を問われて、
「年上の女性」
とお答えになった泉重千代さんが、やはり忘れられないお一人になるかと思います。
世界最高齢になることはないにしても、記憶に残る人間として、ちょいと気の利いた言葉を普段から考えておきたい……
え?
(そんなことを考えているうちは、誰の記憶にも残らない!)
永く、人の記憶に残る言葉とは、そうしたものかもしれません……
野中正三さんの御冥福をお祈りいたします。