作家の田辺聖子先生がお亡くなりになりました。
著作に、『上機嫌な言葉366日』(海竜社)、『上機嫌の才能』(海竜社)、『老いてこそ上機嫌』(文春文庫)と題した、〝上機嫌三部作〟があります。
いずれも、上機嫌に毎日を過ごすための言葉、考え方を記した作品かと思いますが、舞に〝上機嫌〟で生きるためには、どれほど上機嫌でなかった夜を過ごしてこられたのでしょう……
あるいは、『人生はだまし、だまし』(角川文庫)てな作品も執筆されておられますが、
《人生はだまして、だまして上機嫌?》
なんてタイトルにしてしまいますと、たちまち有り難みが薄れてしまうようです。
でも、実際に嫌なことをそのまま受け止めてしまうよりは、ちょいとかわしながら、己には、
「大丈夫だよ〜ん!」
なんてことをちょいとふざけた調子で言うほうが、うまく人生をだませるように思いますし、何より毎日上機嫌でいられるように思います。
田辺聖子先生の御冥福を、心よりいお祈り上げます。