74回目の平和記念式典が、長崎市の平和記念公園で営まれました。
平和宣言で田上長崎市長は、被爆した山口カズ子さんの詩を引用されました。
《幾千の人の手足がふきとび 腸が流れ出て 人の体にうじ虫がわいた》
原爆が落とされた広島の惨状を描いた、原民喜さんの『夏の花』の描写も、残酷なほど生々しい表現だと思いましたが、プロの作家でない市井の女性のこの詩にも、酷い現実が表現されている、と思いました。
文章より写真や映像のほうが人々に衝撃を与えうる、と考えがちですが、言葉だからこそ、それぞれの人に強烈な印象を刻むことができる、と言えるかもしれません。
でも、さらにその詩に書かれた、
《人は忘れやすく弱いものだからあやまちを繰り返す》
から、伝えることの難しさも表されているように思います。
言葉で伝えるということがどういうことか、改めて知らされたように思いました。
広島と長崎から発せられる言葉……
ただ頭を垂れるばかりです。