山口県岩国市立の小学校と中学校で、スクールカウンセラーが、心理プログラムの一環として、「多数の犠牲を防ぐためには一人が死んでもいいのか」を問う思考実験『トロッコ』問題を資料にした授業を行って、保護者から「授業に不安を感じている」という思いが寄せられたと毎日新聞が報じています。
「ブレーキのないトロッコがこのまま進むと、その先にいる五人が犠牲になるが、切り替えポイントのレバーを引いてトロッコの方向を変えるとそちらにいる一人が犠牲になるが、あなたならどうするか……」
という問題は、元々、ハーバード大学のサンデル教授が行った講義で出題されたもので、NHKの『白熱授業』で話題になった問題です。
本来、成人に向けて考えられた問題ですから、これを、
「朝はご飯かパンか、どっちがいいか?」
「住むなら一軒家かマンションか、どちらがいいか?」
て日常的なことを題材に意見を交わさせている小中学生に、たとえ資料として各自に答を求めないにしても、
「そんな無茶なことしたらあかんで!」
なんてことに、思い至らない心理カウンセラーなんて、どんなもんでっしゃろ……
流行りの思考実験を己がしてみたかっただけで、どんな心理プログラムを組み立てていたのか知れたものではありません。
ましてや、子供らに心を平安に保たなければならない心理カウンセラーが、子供や保護者の心理を不安にさせるなんて、洒落にもなりません。
プログラムや授業の内容や資料については、学校側と事前に協議し、学校は確認してくはずだったそうですが、これを怠っていたそうです。
以前、学校カウンセラーの資格をお持ちの先生がいらっしゃいましたけれど、失礼ながら、
「御自分が先にカウンセリングをお受けになったほうがいいのでは……」
などと思っておりました……
また、
「プロだから任せておいた」
という言い訳は、自分たちの怠慢を糊塗しているに過ぎないと思います。
などと、またしても自分のことは棚に上げて書いてしまいました……
ごめんなさい。