大学入学共通テストの民間試験導入が延期されたことについて、自由民主党の下村元文部科学大臣hは、延期に対する理解を示す一方で、英語を『読む』『聞く』の2技能だけでは世界で活躍できる人材を育成するのは難しいということを述べて、
「『話す』『書く』を追加した4技能の向上こそが、今後の時代に対応できる人材育成だ」
と日本記者クラブの会見で強調されたそうです。
長期留学から帰国した学生が、
「君の考えは?」
と聞かれて往生したという話は、昔からあり、最近も似たようなことを帰国した学生が語っていました。
ということは、いまだに日本では自分の考えを述べることができていない、ということかと思います。
今の日本の学校教育で、自分の頭で考えてそれを論理的に他者に伝える教育はなされていません。
だから、書店に行くと、思考力とプレゼンテーション、コミュニケーションの方法を紹介する書籍が並んでいることに、この下村元大臣をはじめ、誰も気がついていないのでしょうか……
最初に入試を利用して英語の技能の向上を図ろうとするのではなく、まず、自分の頭で考えて自分の意見を構築できるような訓練を実践することを先にやらないと、将来、欧米人に対抗できる人材は育たないのではないかと思います。
自分の頭で考える訓練は、母語である日本語から始めなければなりません。
つまり国語の教育を第一に考えなければならないということですが、その国語において、正解を教える授業ではなく、多様な考えを求め、それらを認め、あるいは批判する授業ができるか、という点にこそ、英語の4技能を生かす鍵があるのではないかと思います。
そろそろ、書いていて恥ずかしくなってきました……