にきょくかカラオケ

忘年会、新年会、歓送迎会、打ち上げなどの流れで、カラオケに行くことがあります。

そのとき、皆さんはどうしていますか?

自分がマイクを握る時間はわずかです。時間の大半は、他人が歌っています。

他人の歌を聞きながら盛り上げようとするか、それとも歌を聞かずにほかの誰かと談笑しているか?

多人数でカラオケに行くと、おおむねこの二つに分かれます。

カラオケシーンの二極化です。

もちろん、うまい人の歌には聞き惚れ、上司の歌には聞く姿勢を見せて盛り上げますが、そうでなければ知らん顔、などという方が多いのではないかと思います。

昔、勤めていた会社の宴会の二次会でカラオケに行ったときに、一人一人に違う褒め言葉をかけてみました。

誰かが一曲歌い終えるたびに、

「うまい」

とか、

「有線放送かと思いました」

とか、

「どうして歌手にならなかったんですか」

とか、その他、

「いい声してますね」「情感がこもっていますね」「情景が目に浮かぶようです」等々。

十人が二回、マイクを握ると、二十通りの賞賛コメントを述べなければなりません。

しまいには、

「次は、どうほめてくれるのかな」

などとプレッシャーをかけられました。

それでもなんとか無事に乗り切って、カラオケ終了。

帰り道。

自分が歌った曲を指折り数えながら……

「二曲か、カラオケ」

[にきょくかカラオケ]でした。