最近は、講義形式の学問系ユーチューブや思想系ユーチューブが出回っているようで、これに汚染された人に、先日、居酒屋で不快な思いをさせられました。
ご自分が視聴されたユーチューブについて、私に説明するところまでは、まあ、よかったのですが、その内容について、私が疑問を投げかけ、あるいは違和感を示した、つまり、納得同意しなかったときに、
「おまえ、もっと勉強しろ」
と、その方はおっしゃいました。
その主張は、学校教育では学ばなかった内容で、これまで培ってきた私の根本的な考え方からも外れていました。その点を疑問点として問い、不審を見せた私に、どうして、
「おまえ、もっと勉強しろ」
と、おっしゃたのか?
勉強しろ、の具体的なメッセージは、同じユーチューブを観ろ、ということです。そのユーチューブを観て説明している俺の言うことに理解を示さない奴は、勉強不足だと決めつけているわけです。
ユーチューブやその他ネット上で示された考え方に同意、共感するのは、新聞テレビ雑誌書籍に感化されるのと変わりません。だから、それをどうのこうのとは申しませんが、そのまま何ら疑問を持つことなく、自身の考えとしてしまう点に、いちばんの問題点があります。つまりは、自ら思考する行為を放棄している、ということです。
次に問題となるのは、それを、自分の周囲にいる誰かに話して、自己承認を求める行為です。
承認欲求を満たすために、そのユーチューブを利用している自分に、気づかないところに、第三の問題点があります。
自分の頭で考えなかったことですから、疑問を提示されても適切に答えることはできません。自分の頭で考えていたことなら、持ち出された疑問に適切な答を述べることができますし、新しい視点やほかの考え方に気がついて、さらに己の思考を深めることができます。しかし、自分の頭で考えることを放棄してユーチューブで示された誰かの考えを見せびらかす人間には、それができるはずはありません。困った挙句に出てくるのが、
「おまえ、もっと、勉強しろ」
つまり、
「悪いのはお前だ!」
です。
いわゆる上から目線による、押しつけです。
承認欲求を満たすのが目的ですから、そうなってしまうのは当然です。
しかし、そんな仕打ちをされて我慢できるほど、私は人間ができていませんので、ささやかな抗議を試みました。
このように整理した形ではありませんが、その趣旨を、できるだけ穏やかに先方に伝えたつもりでしたが、周囲のお客さんや居酒屋の店員さんに、ちょっとだけ注目されてしまいました……
もちろん、そのお方とは、居酒屋を出てから、いつものようにカラオケにまいりました……