芥川龍之介氏の『鼻』の主人公・禅智内供は、他者とは違う自分の大きな鼻をとても気にしていましたが、周囲の人々が面と向かってそれを話題にすることはありませんでした。 ところが、鼻を小さくすることができると、周囲の人々はあからさまに彼を笑うように…

たとえば、 「行ったり来たりすれ違いあなたと私の恋……」 あみんさんの『待つわ』（作詞作曲・岡村孝子さん ユニバーサルミュージック）は、切ない女性の気持ちを歌っています。 「行ったり来たり」が、右往左往しているのではなく、すれ違いを表していると…

宮部みゆきさんの小説に『チヨ子』（光文社文庫）という短編があります。 アルバイトで着用した着ぐるみのウサギを通して見える人間を描いた作品です。 読んでいるうちに、安部公房氏の『箱男』（新潮社）を思い出しました。 箱の中から社会を見るという小説…

今の自分を変えたい…… と思っている方は少ないと思います。 医療師施設など、外部の力を借りて美容整形や肉体改造、ダイエットなど、外形を変化させることをきっかけに自分を変えることが、その一つの方法になっているようです。 あるいは、誰かの言葉や行動…

外国語に比べて、擬態語が多いというのが、日本語の特徴です。 それが、日本語はわかりにくいとか論理的でないと言われる要因の一つになっているようです。 中でも、『ぼちぼち』はその最たる物ではないかと思います。 「ぼちぼちやろうか……」 「それでは…… …

大学でフランス語を教えていらっしゃる先生とお話をする機会がありました。 フランス語やドイツ語には、名前にも男性名詞、女性名詞があって…… でも、日本語にはそんな名詞はありません。 たとえば、フランスで、出かけようとうする娘が厳格な父親に、 「ど…

子供が不祥事を起こして、警察のご厄介になったり学校から処分を受けたりしたときに、子供をかばう親が増えているのではないかと感じています。 「うちの子はそんな子じゃ、ありません」 から始まって、 「処分の理由と基準を明示しろ」 と自分の子供の非を…

登山や木登りでは、支点を三カ所、必ず確保するということが基本だそうです。 たとえば、右手を伸ばそうとするなら、その他の左手と両足を岩壁や木から離してはいけないということです。そうしないと、身体を支えられず、落ちてしまいます。 同様に、会社が…

『成功するまで諦めなければ失敗はない』 てなことを口にされる方がいらっしゃいますが、諦念、諦めることは非常に重要なことではないかと思います。 成功するまで諦めずに何かをやり続けていられるということは、他の何かを諦めているということですし、ま…

《見上げた誰かが背筋を伸ばしたことさえ知らずに、旗は風に身を委ねている》 たとえば、応援団が掲げる大きな旗には、選手はもちろん、そこに集まって声援を送る大勢の人に注目される存在です。 でも、毎日掲げられる、たとえば校旗や社旗を見上げる人はど…

阪神タイガースのファンの中には、前日で阪神が負けると、翌日、実に不機嫌に仕事をされる方がいらっしゃいます。 「昨日は阪神、ぼろ負けやったから、課長に迂闊に近づいたらあかんで……」 てなことが言われます。 そういう状況は、阪神だけかと思っていまし…

アイアイアイアイタイランド 愛して求愛おつきあい アイアイアイアイパイランド 相手に相対（あいたい）他愛ない アイアイアイアイおさるさん あいててバイバイ泥仕合 アイアイアイアイアイランド アイデアお見合い向かい合い アイアイアイアイあいうえお 再…

大阪都構想住民投票祭が終わり、いわゆる橋本劇場が幕を下ろすことになりました。 幕を下ろすことになってからも面白い……いえ、それからの方が面白いかもしれません。 都構想が実現しなかったからこそ、さらなる改革が求められるのではないか…… どうして江田…

１９９２年１２月に公開されたのを最後に、『ちびまる子ちゃん』は映画化されていません。 『サザエさん』は五十年以上前に実写版で１０本目の映画が公開されて以来、やはり映画化されていません。 にもかかわらず、長寿番組として放映され続けています。 同…

講釈師として４０年。 旭堂南左衛門さんのお話によりますと、先代の南陵師匠の元に一週間、十日と通い詰めて真剣に弟子入りを訴えたというのではなく、ご自宅に招かれて、 「高座名、決めたから……」 ということだったようです。 自らの志や思いとは違うとこ…

「関取は、夜空ばかり気にしていますね」 「ええ、星が気になっていますから……」 「関取は、あきらめるのが早いようですね」 「ええ、投げるのが得意ですから……」 「関取は、親方に注意されても、言うことを聞かない力士だそうですね」 「ええ、突っ張るのが…

上方講談師・旭堂南左衛門さんの《講釈師四十年記念特別講演》が、６月６日、午後１２時３０分より、綿業会館本館７階大会場（大阪市中央区備後町２丁目５番８号）にて開催されます。（１２時開場） 人間国宝の一龍斎貞水先生が、東京から特別ゲストとしてお…

「私のことを分かってほしい」 と思いながら、 「私のことを分かってくれる人などいない」 とあきらめながら、でも、 「君のことはよくわかっている」 と言いながら、信頼を得ようとする人を疑惑の目で見てしまうのは、なぜでしょう…… 「私のことを分かって…

「あれ……メロスやないか」 「おお、待ってたんや、セリヌンティウス」 「待ってたって、どういうことやねん？」 「実はな、妹が結婚んすることになったんや」 「ああ、それはよかった、おめでとう！」 「うん、それでな、その準備のための買い物に来たんや」…

落語で言うところの 〈普通のお方やない人〉 〈ただのお方やない人〉 〈今時のお人やない人〉 に当てはまるのが、ドラキュラだという指摘を受けました。 伯爵で吸血鬼ですし、その出で立ちも雰囲気も普通ではありません。 うら若き女性の血を吸いますから、…

「才色兼備とは、あなたのような女性のためにあるような言葉ですね」 と、こちらがほめたつもりでも、そうは受け取ってくださらない方がいらっしゃいます。 「本当の自分はそうじゃない……」 という思いを持たれている方には、どんな称賛もそう受け取ってはも…

先日、設立したばかりの組織に入らないかと誘われ、書類を渡されました。 傍らにいて、先にその書類を渡されて勧誘されていた人が、納得して組織への加入を承諾すると、 「あなたが１号です」 どうしようか迷っていた私は、その言葉に思わず、 「今、入ると…

昨日のブログの正解を…… と、お考えの方もいらっしゃるかと思います。 泣かれて鬼になる。 呑まされて虎になる。 口説かれて猫になる。 にらまれて蛙になる。（人が見たら蛙になれと、隠した小判に言うお話があったような気が……） 追いかけられて兎になる。 …

『ほめられて◯◯になる』 ◯◯に、どんな言葉を入れますか？ ア・真っ赤 イ・笑顔 ウ・天狗 エ・疑心暗鬼 オ・謙虚 『ほめられて真っ赤になる』 恥ずかしく思うあなたは、純情で汚れのないタイプです。 『ほめられて笑顔になる』 素直に喜ぶあなたは、人に好か…

たとえば、よい子でなければいけない。 たとえば、よい母親でなければいけない。 たとえば、ポジティブに考えなければいけない。 たとえば、前向きに生きなければいけない。 「〜なけらばならないという考えに囚われてはいけない」 だから、これまでの考え方…

「欲しいものがあれば、一つだけ与えよう」 と魔法使いに言われて、 「あなたが持っている、その魔法の杖」 と答える笑い話には、魔法使いが杖を持っていることを意味します。 英国の児童作家J.K.ローリングさんの『ハリーポッター』シリーズはもちろん、日…

あるとき、《正直の頭に神宿る》ということわざを知った殿様が、家来たちにおっしゃいました。 「この領内で、一番の正直者に、褒美をとらせることにする。正直者を募り、余の前で正直な気持ちを述べさせよ。それによって、余が正直者を決めて、褒美として、…

「ママ、ジュースある？」 A「ちょっと待ってて、今、いれるから……」 「ママ、ジュースある？」 B「冷蔵庫にあるから、手を洗って飲みなさい」 「ママ、ジュースある？」 C「今から、買いにいくわ」 「ママ、ジュースある？」 D「麦茶ならあるわ」 「ママ、…

イスに腰掛けて仕事をしているときに、後ろを通った人が、過ってそのイスの足を蹴ってしまったとします。 そのとき、蹴ってしまった人が謝るのがほとんどかと思います。 なにしろ、座っていた人を驚かせた上に、仕事を中断させてしまったのですから。 イスを…

「あたし、きっと嫉妬していたんだわ。ゴールデンウイークに…… だって、５月３日の憲法記念日と５月５日のこどもの日は、祝日法が定められたとき、そう、もう７０年近く前から祝日だったんだから仕方ないけど、４月２９日は元は昭和天皇のお誕生日だったから…