人工知能の研究が進んでいるそうです。
開発が進むと、問題も出てきます。
自ら学習する機能を付けることによって、人工知能は瞬時に最適の選択をするそうです。
たとえば、電話の問い合わせでも、相手の発した言葉から、その問い合わせ内容を把握して的確に答えることができるそうです。
そこで、ふと、思いました。
もし、クレームに対応しなければならなくなったときに、彼らはどうするのでしょうか?
想定されたクレームならまだしも、通常の回答を求める範囲から逸脱した言葉が発せられる内容なら、返答不能になるか、かりに謂れのないクレームだと判断した場合、こちらに非のないこと、正論を並べるか……
しかし、感情的になっている相手に正論をぶつけるとどうなるか、ということを理解しない人間もいるほどですから、いくら人工知能でも、火に油を注ぐ結果になるのではないかと思います。
また、謝罪する判断を下したとしても、自動ドアやエレベーターなどの音声のような声では、却って相手の感情を逆撫でするのではないかとも思います。
それが、何らかの形で家庭に入った場合、たとえば、主婦が悩みを相談したときに、その人工知能は、論理的な解決方法を瞬時に答えてくれるかもしれません。
でも、それだと、前から家にいる旦那と変わりません。
「そんな答なら、わざわざ聞かなくてもわかっているわよ!」
「じゃあ、なんなんだ!」
と、感情的な言葉を口にする旦那より、
「解釈不能、解釈不能……」
という音声を発しながら自動停止する人工知能の方が、まだましかもしれません。
修理に出された、その人工知能が、
『こんなとき、どう答えたらいいのでしょうか?』
そう問われた修理担当者が、正論しか述べない旦那のような人間だったら……
手塚治虫さんが描いた鉄腕アトムのような、人工頭脳を備えたロボットの登場は、まだ、ずっと先のことかもしれません。