『やり残したこと』はある方がいいのか、ない方がいいのか……

北野武氏の『やり残したこと』(ロッキング・オン)を書店で見かけました。

 

107歳で亡くなった彫刻家の平櫛田中氏は、30年は仕事ができるほどの木材を保有していたそうです。

 

やり残すことなく一生を終えるのがいいのか、それともやり残したことがあるまま生を終えるのがいいのか……

昨今、終活が盛んになっているようですが、それは死ぬことを前提としているわけで、死に際をきれいに飾りたいという思いが、そこに滲んでいるように感じます。

一方、やり残したことがあるまま死んでしまうのは心残りで、成仏できないことかもしれませんが、反面、まだまだ生きる気力が旺盛だとも言えます。

 

あるいは、悟り澄ましてお迎えを待つのか、欲の皮を突っ張ってまだまだあれこれ手に入れようとするのか、その選択でもあるかと思います。

問題は、何をやり終え、何をやり残したかというところにありますが、まだ、印税生活ができているわけではなく、歌手としてデビューすることなく、俳優としての活躍もできないまま、ステキな女性のヒモにもなれずに、高額の宝くじにも当たっておりませんアタシには、終活してから死ぬなんてことはとうていムリなお話で、この状態でもしお迎えにこられたら、多分、駄駄をこねて成仏なんてせずに、いつまでもその辺をさまよっていそうです……