男の転機を開く女

「それにしても、キミという人間は不思議な奴だな」

「どうして」

「嫌な事があったり飽きたりして仕事を辞めても、なんとなく次の仕事にありついて転職できているんだから……いったい、どうすればそんなにうまくいくのか教えてくれ」

「いや、だいたい女性のおかげでね。ボクの転機によく人生を開いてくれるだよ」

「へえ。たとえば」

「たとえば、ある職場で一緒だった女性が、次の仕事を紹介してくれるなんてことが結構あってね」

「それでキミは普段から女性は大切にしなければならない、と言ってるわけだ」

「そうそう、現代が男社会だなんてとんでもない。天下を動かすのが男だとしても、その男を動かしているのは女だよ。ははははは……」

 

「それなのに、どうして嫁さんに逃げられたんだ?」(オチA)

 

「なるほど、だから奥さんに逃げられたのか?」(オチB)

 

「ははははは……」