他人と違う生き方

毎日、コンビニエンスストアーや書店に立ち寄っては、そこに並んでいる本を眺めます。

どうして眺めるのかというと、今、どんな本が売れ筋だと考えられているのか、というところを見ながら、次にどんな原稿を売り込むかを思案するためです。

今日も今日とて書店に立ち寄って、自分を変えたいと思っている人を対象にした本が売られているなら、

「『他人とは違う生き方をする!』てな本を出版したら、売れるのではないか……」

と、思いついてしまいました。

 

考えてみれば、どこかの会社の正社員ではなく、あるときは新しい企画を考えてはそれを原稿にして出版社に売り込んでは断られ、また、あるときは『添削セミナー』を計画し、さらには伝楽亭に出入りしては三題噺を語り、『大喜利セミナー』を考え、『落語DEユーモアコミュニケーション』なんてことなど、いろいろ試みてはうまくいかず、それでも演劇のワークショップや脚本分析講座に参加し、最近ではアナウンサーの講座にも顔を出しながら、でも結局は宝くじで一攫千金を夢想するアタシなんぞは、他人から見たら、明らかに他人とは違う生き方をしているわけで、落語的に表現すると、

「あんさん、普通のお方やおまへんな〜」

と、遠回しにけなされるところです。

 

そう考えると、

『他人と違う生き方をする!』

という企画が出版されることなどありえません。

 

だったら、

『他人と違う生き方をせざるを得ませんでした……』

なんて形に変えたほうが、まだ売れる可能性が……

 

そこで例の友人が、きっぱりと、

「ない!」

と断言してくれました。