泊まれる本屋と出版不況

一昨年も去年も出版社や出版プロデューサーに原稿を売り込みましたが、

「昨今の出版を取り巻く厳しい状況」

を理由に、全部ボツになりました。

確かに、年々書籍の売り上げは右肩下がりになっているようですが、《泊まれる本屋》なる商売が繁盛しているそうです。

実際には、本屋に泊まれるのではなく、多数の書籍を並べた安価な宿泊施設に泊まれるということだそうです。

 

これは、実は読書の好きな人は減少していないことを示しているのかもしれません。

問題は、どこで読むか、ということなのかもしれません。

つまり、喫煙家と同じく、実は読書する場所が何となく少なくなって、肩身の狭い思いを多くの読書家が嘗めているということです。

 

あるいは、スマフォ、携帯によって却って煩わしくなった人間関係から逃れたいという人々の願望の表れなのかもしれません。

 

ということは、本当は本を読みたい人がこれからもっと増える可能性がある、ということではないかと思います。

そう考えると、ボツになった原稿を引っ張り出して、今年はもっと積極的に売り……

 

「キミの場合、最も重要なことは、出版を取り巻く厳しい状況が問題になるのではなく、キミの原稿自体が出版されない一番の原因だということに気づかなければならないということだ」

例の友人は、アタシが気づかぬふりをしている点を、平気でついてきます……