根気のない自己弁護

先日、長く公立学校の先生をされていた方とお話をする機会がありました。

その方は、御自分が小学生だった頃、通知表に、「根気がない」と記されていたことを覚えておられて、

「自分は根気のない人間だと思っています」

と、おっしゃいましたので、

「もしそうなら、学校の先生を長く務めてはいられなかったでしょう。そもそも、根気がないように見えるのは、今、自分の取り組んでいることが自分の興味を引くものでなかったり、あるいはすぐに先が見えてしまって飽きてしまうようなことだったりするからではないかと思います。小学生なら、尚更そうだと思いますが、そう考えると、根気がない、ということを一概に悪いことだと決めつけることなどできません。それにしてもそんな刷り込みをしてしまう小学校の先生のコメントは、恐ろしいものですね」

てな、偉そうに聞こえる理屈を述べながら、履歴書の職業欄からはみ出るほどの転職を繰り返すばかりか、一発逆転を狙う企画ばかりを考えてはすぐにあきらめるアタクシは、それが根気のない己の自己弁護であることをその方に覚られないように平静を装っているのでございました……