ある種の植物が、毒物を内蔵していたり触れるとかぶれる樹液を出したりするのは、身を守るためです。
毒を武器にする動物は、獲物をとる他に、身を守るために毒を使う場合があります。
人間でも、口の悪い人、毒舌を吐く人は、それで自分の心が傷つけられないように防御している場合もあるようです。
トカゲがしっぽを切って逃げるのは、自身を守るためです。
人間社会では、このトカゲのしっぽ切りを得意とする御仁もいらっしゃるようです。
カメレオンやある種の魚は、保護色を使って身を守ります。
人間社会には、
『木を隠すには森の中、人を隠すのは人ごみの中』
という言葉もあります。
さすがに、イタチやスカンクのように最後っ屁をかますことははばかられますが、目眩しを投げて遁走するのは、忍法の基本です。
マキビシを撒て逃げるのも、忍者の常套手段です。
木の枝で羽を休める鳥の逃げ道は、空と決まっています。
狙撃の際に『ゴルゴ13』が最初に考えるのは、逃走経路を確保することだそうです。
『三十六計逃げるに如かず』
とは兵法の極意ではありますが、ただ走って逃げるだけではなく、他の生物を見倣えば、方法はいくらでも見つかりそうです。
「どうしようか……」
と、心配事があって眠れぬ夜には、
「どんな卑怯な手を使って逃げようか……」
てなことを考えると、案外楽しくなって眠れるようになるのではないかと最近考えていますが、爆笑できる落語や漫才を聞いて笑いながら寝る方が、精神衛生いいかもしれません。
(え? 先にそれを言え……)
なんてことは、落語ではよくあることでございます。