キミは『シン・ゴジラ』を見たか!

ロングヒットの東宝映画『シン・ゴジラ』(監督・脚本 庵野秀明さん)の話題から、やはり映画の出来不出来は監督の力によるところが大きい、監督の思想が作品のディテールにまで及ぶ、てな話になって、それは、シナリオにも反映されており、同時に台詞を咀嚼する役者の力量を問うことにもなるけれど、残念ながら、そうした俳優が日本には少なく、その原因はやはり国語の教育に由来するのではないか、つまりは一つの台詞からどれだけ状況を考えることができるか、といった想像力や思考力の涵養がなされてこなかったからではないか、だとしたら、コミュニケーションだ、プレゼンテーションだ、アクティブラーニングだと言う前に、国語教育にシナリオを読み取る演劇を取り入れるべきではないか、と国語と理科の教育に長く携わっておられる先生方と、先日、意見が一致いたしました。

 

なでしこの会のメンバーでもある小学校の先生は、落語を取り入れて成果を上げておられます。

 

読み取る力と話す力を同時に育むことができるのは、これまでの正解を求める国語教育ではなく、伝統芸の落語や講談、あるいは演劇ではないかと思います。

 

そんなことを例の友人に話しましたところ、

「キミはすごい人間だね」

と、珍しくほめてくれましたので、

「いや、それほどでも……」

と少し照れましたら、

「下手な落語さえもう何年もまともにやっていない上に、『シン・ゴジラ』を見もせずに、よくもまあ学校の先生方とそんな話ができるんだもんねぇ……」