実践的哲学論

学術関係の書籍も売れなくなってきた中で、〈心理学〉に関する本は例外的に売れていましたというお話を耳にいたしましたのは、一昔前のことで、最近は〈哲学〉を特集する雑誌や、〈哲学〉の解説書が、書店で見受けられます。

 

ビジネスで求められる思考力にはこんな型があって、こうするとそれらが体得できるといった書籍やセミナーが人気を博していた時代は、そろそろ終焉を迎えるのではないかと思います。

 

効率化を図る〈科学〉から、人生の勝者になるための〈成功哲学〉が一世を風靡し、次に対人関係の悩みを解決するための〈心理学〉、そこからさらに人間の根源について考えを深めていく〈哲学〉に焦点が当てられるようになった背景に思いを馳せると、日本社会の変遷を垣間見ることができるのではないかと思います。

 

ただ、自ら独自の問題を考案、提起し、それについて思索を深めて、その結果、どんな結論に至ったかを語ることが〈哲学〉ですから、

「〈哲学〉とは、自ら独自の問題を考案、提起し、それについて思索を深めて、その結果、どんな結論に至ったかを語ることだ。そんなことも知らなかったのか」

と、得意げに触れ回っている人は、本当の〈哲学〉がわかっていないことになります。

 

てなことを例の友人に話しましたところ、

「それで、キミが考える〈哲学〉とは何か、語ってくれないか」

と言われましたので、

「〈哲学〉とは、自ら独自の問題を考案、提起し、それについて思索を深めて、その結果、どんな結論に至ったかを語ることだよ……」

 

(結局、誰が〈哲学〉を実践してるんや!)

 

どうも申し訳ありません。

「ふざけたことばかりではなく、たまには『実践的哲学論』てなことも述べることができるんだぞ」

なんてところを見せようと思って書き出して、やっぱりいつのもようなオチになってしまいましたぁ〜