『鬼十則』とボブ・ディランさんの詩

社員の過労自殺が取りざたされたために、電通の4代目社長吉田秀雄氏の『鬼十則』が、電通の2017年版の社員手帳には記載されないことになったそうです。

鬼十則』は、一時、書籍でも取り扱われておりましたので、存じ上げておりましたが、なんだかソリが合わないようで、アタクシはなるべく触れないようにしておりました。

そうでないと、誠に申し訳ありませんが、

1仕事は自ら創るべきもので、与えられるべきものではない。

(ほな、自ら創った仕事を、上司は誰に与えたらええんや!)

3大きな仕事に取り組め。小さな仕事はおのれを小さくする。

(西川のきよっさんは、「小さなことからコツコツと」って言うてるで〜)

てな、4代目の吉田社長には非常に失礼千万なツッコミを入れてしまいます。

 

社是社訓と称されるものは、たいがいの会社に掲げられているものですが、それらは、会社の方針、方向性を示すと同時に、社員、スタッフの思考や行動を束縛するもの、てな具合にちょいと意地の悪い見方もできる代物です。

 

日本時間の昨夜から今朝にかけてノーベル賞の授賞式が行われ、皆さん御存知の通り、詩人としてボブ・ディランさんが文学賞を受賞されました。

雑誌のインタビューで、

「歌詞がどういうものかは、他の人が決めるのに任せるよ」

と答えていらっしゃるそうです。

 

俳人の田舎家かかし師も、

「俳句は受け取る側の解釈に委ねられる」

と、おっしゃっておられます。

 

これは、物書きであるアタクシも心得ておりますことでして、だから、『鬼十則』や世の中の社是社訓に、ついついいらぬツッコミをやらかしてしまうのでしょう。

 

いっそ、『鬼十則』の代わりに、

「どない解釈してもかましまへんで……」

なんて『仏十則』をこしらえてもいいのやないかと思いますが、

「どない解釈してもかまへんで……」

てな言葉にも縛られたくない、てなオチに、

「結局、キミは束縛されているんやろうな……」

とは、例によって例の友人の言葉であります。