女子高生の二つの解釈

六、七人の女子高生が、片手を上げて、

「一人じゃないよ」

というキャッチコピーのついたポスターを駅で見かけます。

もう、おじさんですから、女子高生というだけでつい見てしまいましたが、初めてこれを目にしたときには、

「ああ、一人で悩むことはないよ、てな意味合いのポスターかな」

と思いましたが、よくよく考えてみますと、駅にあるからには、それぞれ片手をあげているのは、吊り革をつかんでいるところであって、

「車内は一人じゃないから他の乗客に迷惑になるような行為は慎もうね……」

てな乗車マナー啓発ポスターではないかと、最近になってようやく正しく解釈している次第でございます。

 

「人の嫌がることをしよう」

という教師の言葉に、前の席の子の椅子を蹴った生徒がいて、

「人の嫌がることをしてはいけません」

最初の先生の言葉は、

「人の嫌がるような仕事を率先してやりましょう」

という意味でした……

 

「転がる石にコケはつかない」

という言葉も、本来の意味とは正反対の解釈がなされるようになり、今では両方、認められているようです。

 

めったに言われることはありませんが、

「いやあ、アアタはエライ!」

なんて珍しくほめられた日にゃ、アタクシ、

「ええ、ほんまにエライんですわ。年取ると、身体が……」

と、つい、ボケてしまいます。

 

これを、例によって例の友人に話しましたところ、

「キミの場合、わざわざボケる必要はないやろ」

 

皆様、お察しのとおりのオチでございます。