阿久悠作詞家憲法十五条

河出書房新社の《阿久悠》には、

阿久悠作詞家憲法十五条〉

が掲載されています。

思わず購入してしまったのは、これがためでございます。

 

1 美空ひばりによって完成したと思える流行歌の本道と、違う道はないものであろうか。

 

『本道と違う道はないか』

を模索する。

 

6 「女」として描かれている流行歌を、「女性」に書き換えられないか。

 

 一般に同義と思われている言葉を、

 『書き換えられないか』

と考えて、新しい視点を得る。

 

11 「どうせ」と「しょせん」を排しても、歌は成立するのではないか。

 

『〜を排しても〜ではないのか』

それまでに使われていた言葉を取り除くことで、新たな世界を切り開く。

 

12 七五調の他にも、音楽的快感を感じさせる言葉は言葉があるのではないだろうか。

 

『〜他にも〜あるのではないだろうか』

 言葉と同様に、それまでに常用されてきた手法とは別の方法を探す。

 

他にもまだ、創作としての姿勢、考え方を示唆する条文はありますが、十五条すべてを常に心得ていられるかというと、アタクシ、自信はありませんので、せめて、この四つの条文だけでも、肝に銘じておきたいと思います。

 

この決意を例の友人に語りましたところ、

「キミの場合、三つのうちすぐに二つは忘れて、『あれ、何やったかいな?』って、質問するやろ……」