もっと早く知っておけばよかった伊勢物語から学べること……

伊勢物語の、

 

《春日野の若紫の摺り衣しのぶの乱れ限り知られず》

 

てな和歌を、高校の国語の授業で学んだかどうかさえわからないのは、当時、まったく興味がなかった上に、こんな和歌の序詞やら縁語やら掛詞やら、あるいは意味など知らなくてもどうってことない…… なんて思っていたからだと思います。

 

個人的には、古典でもちょいと奇抜な説話なんかを好んでおりましたので、当時のイケメン、在原業平が旅に出てどうじゃこうじゃてなお話にも関心がなく、不意に教師に指名されて、何が面白いかと聞かれても、涙がこぼれてふやけたかれ飯が面白い、なんてとんちんかんな答えを口にしても平気でおりました……

 

ところが、先日、さる国語の先生から、

伊勢物語は、今でいうところの『プレーボーイ』と同じで、女性にもてる男性がどういうものか、紹介する物語だったんですよ。古歌を下敷きにしてこれだけ表現技巧を盛り込んだ歌を即興で作って女性に贈るような男性が女性に人気があったんですよ」

と教わりましたが、

「なんで高校生のときに、先生はそういうことを教えてくれへんやったんや」

と悔しがりましたら、

「つまり、知性と教養にあふれた男性でないともてなかったということですよ」

とおっしゃて、さらに、念を押すように…… いえ、とどめを刺すように、

「わかりますか、知性と教養、アナタにありますか?」