落語と大喜利の会IN奈良・古々粋亭レポート〜怪談・申の間〜

昨日、奈良は古々粋亭で開催いたしました落語会には、たくさんの方が起こし下しました。

誠にありがとうございます。

 

かかし師、紀子夏嬢、玄関師、小さん師、ちろり嬢、皆さん、これが古典落語じゃ〜という芸を見せてくださいまして概ね好評でございましたが、アタクシの、創作怪談には、あれこれツッコミが入りまして、不評でございましたぁ〜。

にもかかわらず、どんなもんやったか、ちょいと記しておきます。

 

干支にちなんだ部屋を売り物にしている宿屋、干支屋に訪れた客に、番頭の佐兵衛が、それぞれの部屋を紹介しますが、申の間だけわざと飛ばして、どうぞお好みのお部屋を、と言いますが、飛ばした申の間の説明を求められて、先代の女将に仕えていた番頭が天神祭の夜店で買った申の面を床柱に飾ったところ、夜中に客が頭髪をつかまれて座敷を引きずり回されるということがある説明いたします。けれども客は申の間に宿泊し、翌朝、何事もなく起きてきたばかりか、傍らに猿を連れて床柱に飾ってあった猿の面も手にし、この猿と面を譲り受けたいと申し出ます。その客は、相方の猿を亡くした猿回しで、この猿を新しい相方にしたいということでしたが、番頭は、

「それは困ります。あんさんは新しい相方ができてまた商売ができてよろしゅうございますが、うちは十二支揃いの売り物の一つをなくしてしまいます」

                                   デンデン

 

過日、拙ブログでご紹介いたしました岡本綺堂先生の怪談《猿の眼》の一場面、夜店の道具屋で猿の面を買ったというところと、夜中に得体の知れない何かに髪をつかまれて座敷を引きずり回されるところを拝借いたしました。

 

おかげで、最後の大喜利は短縮版になってしまいましたが……