悪魔と妖怪

悪魔と妖怪を比べてみますと、理解できない現象の原因とされるという点は共通するかもしれませんが、妖怪は魂を買うことはありません。

唯一絶対の神を信奉する人間を誘惑して堕落に導くことを悪魔は目的としていますが、妖怪にそれほど明確な目的意識はないように思います。

 

悪魔は、対立を軸として物事に対処しようとする西洋の契約社会の産物であると言えるように思います。

 

面白いのは、自分の望みをかなえるために悪魔に魂を売り払ってしまう人間です。

魂を売ってしまうと、その時点で自分の人生が失われてしまうのに、それでも悪魔と契約を結んでしまうというのは、健康になるためなら死んでもいい、という発想に近いように思いますが、どんなもんでっしゃろ……

 

週刊少年マガジン講談社)に連載された永井豪先生のデビルマンには、悪魔と魂の売買契約を結ぶ発想はありません。

デーモンが一方的に人間と合体を試みます。

場合によっては、人間の意識がデーモンを凌駕するのに、彼らはそれを恐れません。

見ようによっては、日本的かもしれません。

 

アタクシ、悪魔が買ってくれるほどの魂も持ち合わせておりませんし、合体された覚えもありませんが、いつのまにか悪魔に心を奪われているのかもしれません。