初春俳句

明けましておめでとうございます。

令和最初の年明けは、穏やかだったようす。

 

人生五度目となる年男には、年末にも新年にもそれほどの感慨もなく、かろうじて得られた春からの仕事の準備をしながら、片手間にしたためた年始状は、元日に書いてこその年始状なり、とうそぶいております。

 

書店に立ち寄りますと、あちこちで本が呼びかけてまいりまして、まだ読みかけの本が頭の中でアタクシの袖を引っ張りましたから、なんとか誘惑を断ち切ることはできましたが、読みかけの本を手に取ることをせぬまま、時代劇を見てしまっている正月でございます……

 

新年八日には、伝楽亭俳句会がありますから、新年を季語とする俳句をいくつか作ってみました。

 

福笑い、羽根つき凧あげ、七福神……

凧あげて 小遣いあげてと 子の母に言う

 

御来光、門松七草、初詣……

初詣 おみくじ何度も 引き直す

 

お年玉、一富士二鷹、三茄子……

初夢や 腹破れても 茄子を喰う

 

今年もよい一年になりますように!

今年最後に、今年を象徴するカルロス・ゴーン!

今年最後に、今年を象徴する事件が報じられました。

 

保釈中の日産の元会長、カルロス・ゴーン容疑者が、レバノンに逃亡したというニュースです。

15億円という保釈金を払って保釈され、海外への移動が禁じられているためにパスポートは弁護士が保管。

自宅の玄関には監視カメラが設置されていたにも関わらず、彼は易易と出国してしまったことを、誰も予想できなかったのでしょうか……

 

今年、保釈金を支払って保釈中に行方をくらましたてな輩のニュースがあり、そのときに、保釈中の監視がいかにお粗末か、ということが白日の下に晒されたにも関わらず、今年最後の最後に、大物の保釈逃亡劇を知らされるなんて……

しかも、世界中に、日本の保釈制度って、海外にも逃げられる程度のちょろい制度だよ〜んってなことが知られてまいました。

 

一方で、カルロス・ゴーンの、自分は不当な扱いを受けて我慢のならない状況にあるから何としても逃れたいという強い意志と深謀が、一見、不可能に見える国外逃亡を可能にしたということが、

《念ずれば花開く》

なんて類いの、あきらめない限り夢は叶う、みたいな、アタクシなんぞにしたら、とっくの昔に、

「そんなん、ウソや!」

と決めちゃったことを思い出させてくれちゃいました……

 

あとは、除夜の鐘で、ゴーン!

 

ぼか! どす! ゴーン!

セブンイレブンは、不都合な細胞を切り捨てる組織なのか……

セブンイレブン・ジャパンは、本部との合意を得ずに営業時間を短縮した東大阪市コンビニエンスストアーのオーナーと面談し、予定通り明日で加盟店を解除すると伝え、商品の配送とレジの使用を差し止めると発表したことが報道されました。

オーナーは、記者団に対して、店の明け渡しを拒否して、裁判所にオーナーとしての地位の確認などを求める仮処分を申し立てたと話したそうです。

これに対して、セブンイレブン・ジャパンは、

「現在、双方の弁護士が協議に入っているため、コメントは控えさせていただきます」

と答えたそうです。

 

組織は、不都合な細胞を巧妙に切り捨てます。

 

東大阪のオーナーは、24時間営業が当たり前になっている業界に問題を提起した異分子ですから、これをそのままにしておいては、他の加盟店もこれに倣うかもしれません。

そうなっては、利益が減ってしまいます。

 

組織は、不都合な細胞を巧妙に切り捨てます。

 

今日の面談も、継続に向けて組織は前向きに努力しました、というポーズのように感じておりますのは、アタクシが歪んでいるがためでありましょう……

でも、

「コメントを控えさせていただきます」

なんてことを、誰の言葉かわからぬように発表するのは、これまでも、不都合な細胞を巧妙に斬り捨てる組織だったような気がいたします。

 

たとえ、オーナーの申し立てが裁判所に認められても、何らかの巧妙なハラスメントを組織から受けるのではないか、とも考えてしまうのは、穿ち過ぎでしょうか……

 

だから、組織と戦うオーナーにエールを送ることはいたしません。

アタクシ、オーナーに、エールは送りません。

オーナーに、エールなど送りません……

ええ、送りませんとも……

フランシスコ教皇のメッセージ〈母親に休息を〉

ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が、ご自身のSNSに、聖母マリアが眠る脇で、夫のヨゼフが生まれたばかりのキリストをあやしている様子を表便した画像を投稿されて、

〈母親に休息を〉

と呼びかけたそうです。

 

これは、フランシス教皇が、今年、来日されたおりに感じられて日本に向けて発信されたのか、それとも世界中で同様に母親に急速が必要だと感じられたから発せられたメッセージなのかはわかりませんが、賛同する意見が多く見られるようです。

 

先日、土曜日でしたか、昼食をとりに飲食店に入りましたら、右の席には小学校入学前と見られる女の子を連れたお父さんがいらっしゃり、左の席には、小学校低学年ぐらいの男の子を連れたお父さんが席をとっていました。

どちらにも、お母さんの姿はありませんでした。

 

朝、スーツ姿のお父さんがわが子を保育園に連れて行くだろう姿を見かけることも珍しくありません。

電車の中で子どもを抱っこしているお父さんの姿も目にとまります。

 

〈母親に休息を〉

という以前に、子どもと接する時間がどれほど楽しく貴重であるかということをアピールすことも必要かとも思いますが、飲食店でお子さんと食事をする二人のお父さんを見かけた日、バスに乗っておりましたら、二歳ぐらいから小学校低学年くらいのお子さん、四人を連れたお母さんが乗ってこられました。

 

それを見ながら、やっぱりお母さんにはかなわんな……

 

それでも、子どもと接するやっぱりお父さんには、お母さんもかないませんな……

てな時代が来るかも、いえ、来たらそれもええやろな、と思います。

 

京都アニメーションと議員連盟

京都新聞によりますと、京都市のアニメーション制作会社今日とアニメーションの第1スタジオが放火され36人が亡くなった事件で、京都府警が全被害者の実名を報道機関に発表するまでに40日費やす異例の展開になったのは、超党派で作る『マンガ・アニメ・ゲーム議員連盟』(MANGA議連)が、被害者の実名報道をしばらく控えるように首相官邸警察庁に申し入れしたからだそうです。

なんでそんなことをしたんや、という点には、被害家族の心情を思いやって、みたいなことをおっしゃているようですが、それやったら、なにもこれだけに限れへんやないかい、てなツッコミを入れたくなります……

 

MANGA議連に籍を置く議員の誰ぞに取って、何ぞ都合の悪いことがあるんやないか、てな疑惑も持ってしまいますが、お上の御威光を振りかざす行為もさることながら、こうした超党派議員連盟が、果たして世のため人の為に機能しているのか、てなことを、再び思ってしまいました……

 

被害者の実名報道には、いろいろな考え方があり、まだまだ議論の余地があるかと思います。

また、京都アニメーションの放火事件で被害に遭われた方、またそのご遺族の心情を第一に考えなければならないことは充分承知しております。

 

ただ、それでも、どっかのカラオケ店でこないな事件がおましたさかいに被害者の実名報道は控えてください、なんてことを、カラオケ議連が言い出すのでしょうか、てなことを申し上げたくなっておりますアタクシを、どうか不埒者と呼ばわって後ろ指を指さないでください……

 

今日は納まらない〈仕事納め〉の日!

土曜日を休日としている企業などでは、今日を〈仕事納め〉としているかと思います。

 

本来は、と申しますか、昔は、〈御用納め〉と称して、お上(官公庁)が一年の仕事を終える日だったように思います。

 

ただ、年中無休24時間営業という業態が定着して年末年始に関係なく働く人が増えた現代において、今日という日に〈仕事納め〉という言葉を使うのはいかがなものか、てな議論は新しくはありませんが、ここにきて、年中無休24時間営業を看板にしていたコンビニエンスストアが、年末年始に休む、なんて話題が出てきたところが、なんだか面白うございます。

 

11月の完全失業率が2.2%と、27年前の水準にまで改善したそうで、有効求人倍率も1.57と、人手不足を裏付ける数字が続いている状況から、コンビニエンスストアーなどが、こうした判断にいたったようです。

 

27年前と申しますと、ちょうどバブルがはじけた頃で、令和と時代が変わって、古きよき時代に還りつつあるのかもしれない、などと勝手な感慨にふけっております……

 

正規雇用のアタクシには、ありがたいことに明後日まで仕事が入っております。

 

1年365日、〈仕事納め〉なんぞしていた日にゃあ、〈御用〉は勤まらねえや!

残念な名言1

『残念な〜』てなタイトルの書籍が書店に出回っているようですから、『残念な名言』なんてもんがあったら、結構売れるかも……

てなことを考えてネットで調べましたら、すでに真山さんというお方が、『ざんねんな名言集』なる書籍を出版されているようです。

ただ、まあ、世間一般に知られている名言ではなく、どちらかと言えば、ネガティブな印象のある言葉、あるいは笑ってしまうような言葉が集められているようです。

 

アタクシの考えております『残念な名言』は、有名な言葉なんだけど、ちょっと斜めに見ると…… てな趣向で考えております。

 

たとえば、

〈天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず〉

という福沢諭吉先生の御言葉には、

「確かに天はそうかもしれへんけど、人間は、社会を構成する上で、人の上に人を作り、人の下に人を作ってるやないかい!」

なんてツッコミを入れて、

〈人間の社会では役に立たない残念な言葉〉

とするような企画でございます。

 

他に、

〈努力は裏切らない〉

という言葉を信じたかがために、無駄な努力を積み重ね、骨折り損のくたびれ儲け、つまりは徒労に終わった、なんてお方もいらっしゃるでしょうから、

〈努力は裏切らないという言葉は裏切る残念な言葉〉

てなもんも考えましたけれど、どないなもんでっしゃろ……