高瀬耕造アナウンサーの沈黙の意味

今朝のNHKおはよう日本』の〈世界のニュースザッピング〉で、会話の沈黙をおそれない、という映像の中で、

「沈黙を恐れてはいけない。沈黙はアイデアを得るために必要だ」

といった主旨の発言がなされたあとで、

「私のあとうけ(おそらく映像に対するコメント)のあとの沈黙にも何か意味があると……」

と、高瀬耕造アナウンサーが、いつもの微笑をたたえた表情を崩さずに述べられました。

 

言葉を変えると、

「私のボケのあとに白けても、何か意味がある……」

ということになるかと思います。

 

以前にご紹介いたしました、

「いらぬ殺生をしてしまった」

もそうですが、一介のNHKアナウンサーにしておくには、あまりに惜しい人材ではないかと思わせるほどの、“あとうけ”でございます。

 

ある程度の緊張感を前面に押し出さなければならない朝のNHKのニュース番組にあって、クールでありながらボケるという手法は、厳粛な場において笑うなどとは許されない風潮、あるいはお笑いはお笑いという決まった時間と空間の中でしか認められないという慣習、これまでの日本にはなかった試みかと思います。

 

そんな話を例によって例の友人にいたしましたところ、

「キミもそうしたことをやってきたではないか」

などと珍しくほめてくれましたので、

「いや、そんな覚えはないよ」

と答えましたら、

「緊張感のあるその場の空気も読まずにシャレをかまして、何度もしくじってきたやないか」