地球に存在する宇宙人……

世界の24の国の2万8000を越える人を対象にした調査で、47%の人が宇宙に知的な宇宙人の文明が存在すると信じていると答え、他の惑星に何らかの形の生命体が存在すると信じている人を含めると、61%の人が宇宙に人間以外の生命体が存在すると信じているという報道がありました。

 

そうした人たちの中には、宇宙人の文明との接触も望んでおられるようですが、まもなく封切りされる人気シリーズ『スターウォーズ』や『スタートレック』、あるいは、『未知との遭遇』といった、冒険とロマンに溢れた映画のイメージに踊らされているおではないかと思います。

 

かつて、オーソンウェルズ氏がラジオニュース仕立てで演出した『火星人の襲来』でパニックに陥ったはずの人間が、『宇宙戦艦ヤマト』で描かれたガミラス星からの攻撃になす術もなかった地球人の姿を見たはずの人間が、どうしてこんな能天気な回答ができるのでしょうか……

 

地球以外に高度な文明を持った宇宙人が、友好的であると、少なくとも地球を侵略されない、あるいは人類を破滅させない、などという保証が、どこにあるというのでしょうか……

地球人同士でさえ未だに争っているのに、なぜ宇宙人と争わないということが言えるのでしょうか……

そんなことなら、いっそ争っている相手はすべて宇宙人だと解釈すれば、世界は平和になるように思いますが、どないでっしゃろ……

 

ちなみに、信じている人が最も多かったのはロシアで、ついで中国だったそうです。

社会主義共産主義の大国の中に宇宙人を信じている人民が多いというのは、何か示唆的な感じも受けますが、どないでっしゃろ……

 

ついでに言うなら…… えーと…… とにかくどないでっしゃろを三つ並べてオチにするというのは、どないでっしゃろ……

《おんな城主直虎》の〈言葉が変〉

今年のNHK大河ドラマ《おんな城主》もいよいよ大詰めです。

拙ブログで触れました、

「武田が来たりて火を放つ」

や、高橋一生さんの

「地獄へは俺が行く」

や、浅丘ルリ子さんの、

「弱音を吐いた者から負けるのじゃ」

といった、粋な台詞が注目されましたが、昨夜の〈本能寺が変〉の会話はいただけません。

 

信長が我々を〝殺す〟と言い、その信長を我々が〝殺す〟といったやりとりがなされていましたが、創作の作法、日本の文化、時代劇の伝統から言えば、他者の命を奪う表現を、これだけ何度も直接的に表現するのは、まさに下の下ではないかと思います。

 

日本の古きよき時代の時代劇なら、

「命を奪う」

「なきものにする」

「手にかける」

主君を討つ場合でも、

「お命を頂戴する」

「弑る」

「弑奉る」

下世話な言い方なら、

「やってしまう」

など、多様な表現があります。

 

NHKのことですから、それも承知でこの会話だったかとも思いますが、視聴者に安易に何度も聴かせていい言葉か否かという感覚が、欲しかったとアタクシは思います。

 

同じく昨日の《そこまで言って委員会NP》では、いわゆる〈殺したい症候群〉についての医学的検証討論が行われていましたが、以前、報道にもあった、人が戦って簡単に死んでは生き返るようなゲームなどによる影響を指摘する発言もレギュラー陣から出ておりました。

 

癒しの言葉や勇気をくれる、あるいは人生を変える言葉が昨今もてはやされているということは、現代社会には人を傷つける言葉があふれているということでもあるかと思います。

 

創作に携わる者は、せめてそうしたことにも意識を向けるべきではないかと思います。

〈笑点〉の大喜利始まって以来の不祥事?

日曜日の長寿番組、読売テレビの〈笑点〉の大喜利で、先週と先々週の二週にわたって座布団の枚数ミスという、番組始まって以来の不祥事があったことを、本日、司会の春風亭昇太さんが謝罪したそうです。

 

笑いは世相を反映しているものですから、たとえば日馬富士関の暴行事件以降、アタクシどもの仲間内では、とかくビール瓶が使われております。

 

笑点〉も収録番組の例に漏れず、二週分をまとめて撮っているようですから、二週続けてのミスということになったのではないかと思いますが、ユーザーなど外部からの、つまり視聴者からの指摘ではないようで、昨今流行りの内部監査の結果か内部告発によるものと思われます。

 

視聴者の誰も気にしないような座布団の枚数の数え間違えが、危険を招くこともありませんから、黙っていても問題はないように思われますが、どうせやるなら、プロデューサーも出てきて、そろって頭を下げたところにパシャパシャ写真を撮るてな演出もあってもいいのではないかと思います。

 

また、これだけの長寿番組ですから、過去に同様のミスがなかったとは思えませんから、隠蔽がなされなかったか調査します、なんて発表もあれば、実際に調査するか否かは別にしてもっと面白くなったように思いますが、こんな発想は関西ならではのお笑いで、東京、もしくは全国ネットのテレビ番組では却って不興を買うかもしれません……

 

たぶん、アタクシどもの仲間内では、しばらく座布団ネタが流行るかと思いますので、それも楽しみに伝楽亭にお越し下さい。

 

ちなみに、今月24日、伝楽亭で《三題噺の会》を開催いたしますので、よかったらお越しいただいて、お題の一つに〝座布団〟を出してくださってもよろしいかと思います。

 

(結局、宣伝か!)

第52回北日本文学賞三次選考通過作品発表〜とっくに落ちておりますが……〜

本日、第52回北日本文学賞の第三次選考通過作品65篇が、北日本新聞社のウェブサイトに発表されました。

 

多くの文学賞、新人賞では、一次予選、二次予選後に最終選考作品が決定するようで、アタクシの経験、感覚では、一次予選で概ね6分の1から5分の1ぐらいまでに絞られるように思います。

 

一次選考で落とされるのは、規定に反している作品、あるいは小説になっていない、つまり、基本駅な文章作法ができていない、さらには独善的、一方的な作品で、一次予選選考者が読むに値しない、というレベルであるという話を聞いたことがあります。

二次選考では、その賞にふさわしい内容かどうかも問われているのではないかと思います。

 

北日本文学賞なら、純文学系の文学賞ですから、エンターテイメント系、ミステリー系は、予選で落とされるものと考えられます。

つまり、アタクシのような奇を衒った作品や外連味たっぷりの作品は、落ちて当たり前、といったところです……

だからといって、そうした作品も受け付ける賞に応募すると勝ち残るかと言うと、そうではないところが、やはり難しいところかと思います。

 

もちろん、賞を主催する新聞社、出版社、企業の意向も見逃せませないポイントだと思われます。

 

理屈はようわかってるで〜、という負け犬の遠吠えみたいなブログでもうしわけありません……

イシグロさんのノーベル賞受賞記念講演〜文学の力〜

今年のノーベル文学賞に選ばれた長崎県出身の英国人作家、カズオ・イシグロさんが、ストックホルムスウェーデン・アカデミーで受賞記念講演を行われ、

「危険なほどに分断が増大する時代に、良い作品を書き、読むことで壁を打破できる」

とおっしゃったそうです。

 

今朝、トランプ大統領エルサレムイスラエルの首都に認定してアメリカ大使館を移転させる方針は、パレスチナ自治政府をはじめ多くの反発を招いているのは、ファーストの象徴だという旨を記しましたが、これはすなわち、分断以外の何物でもありません。

 

今回のトランプ大統領の決断は、まさに分断によって世界は危険な状態に陥れる象徴でもあるかと言えるのかもしれません。

 

カズオ・イシグロさんは、そんな世界の危険な情勢を、文学の力で打破しようと考えておられるということです。

 

文学に何ができるのか……

という命題は、昔から存在してはいましたが、昨今の小説にそんな使命の見られる作品は少なく、多くは消耗品であることを作家自身が認めているようにも感じます。

 

先日、二次予選を通過できなかったアタクシの作品にも、そうした文学の力を持たせたつもりはなく、まさに消耗品の一つでしかなかったという意識を持っていたことは否定いたしません。

 

文学の力を信じておられるイシグロさんのノーベル賞受賞に、改めて称賛と敬意を送ります。

今年、トランプ大統領から学んだ真のファースト

自民党をぶっ壊す!」

というキャッチフレーズを掲げて小泉純一郎元総理が、郵政民営化に際して敵対勢力を明確にして取り組んだ手法は、以降、一般にも抵抗感なく使われるようになったのではなかと思います。

 

聖徳太子以来の、

《和をもって尊しとなす》

を伝統とされ、互いの面子が保てるように考え、

三方一両損

なんてエピソードが好まれる日本の一つの枠を壊した瞬間でもあったかと思います。

 

エルサレムイスラエルの首都と認定する具体的な行動として、アメリカのトランプ大統領が、長くテルアビブにあったアメリカ大使館をエルサレムに移転するという発表は、パレスチナ自治政府とその人々との激しい反発を招いています。

 

就任以降、トランプ大統領が醸す物議は、世界は和をもって尊しということなどありえない、ということの明確な表明でもあるかと思います。

 

アメリカファーストとはつまり周囲との摩擦を恐れずに行動するということで、都民ファーストを掲げて旋風を巻き起こした小池東京都知事民進党の議員を希望の党に受け入れる際に〝排除〟を実施したことも同様のことと考えられます。

 

なるほど、和をもってコトに臨もうとるのは、少なくとも政治においては真に尊しと言えると同時に、至難の業でもあるかということを、今年は教えられたように思います。

 

「アタクシも、そのように……」

と、例によって例の友人に言いかけただけで、

「キミの場合、これまでもそうして生きてきたでしょ。自分ファーストで……」

検索大賞受賞! ……ブルゾンちえみさんって誰?

〈Yahoo!検索大賞2017〉の大賞を、お笑い芸人のブルゾンちえみさんが受賞されたと奉じられました。

 

街角のポスターやテレビCMなどで最近よく見かける女性で、当初、渡辺直美さんかなと思いながら、でもちょっと違うかな、という間抜けな印象をアタクシ持っておしましたが、実はお笑い芸人で、〈流行語大賞〉にノミネートされた『35億』を決め台詞にされていたということを、受賞の新聞報道を読んで知りましたので、思わず検索してしまいました……

 

毎年、NHK紅白歌合戦を見て、今年流行した歌を知るようになったのと同じで、この年になりますと、

「こんなことも知らないのか……」

と、若い人に呆れられておりますが、今日、職場で、かつて週刊少年マガジンに連載されていた《巨人の星》(原作・梶原一騎さん 作画・川崎のぼるさん 講談社)の左門豊作が話題になったときに、傍で仕事をされていた若い人はご存じなく、

「なんだ、そんなことも知らないのか……」

とは、アタクシは思いもしませんでしたので、若い人が知っていることを知らないアタクシにも、どうか優しく接してもらいたいと思う次第でございまして……

 

お笑い芸人でも歌手でも、一時、爆発的な人気を博しても、数年後、あるいは翌年にはもう忘れられていたというケースは、たとえば芥川賞作家にもあるようですので、ブルゾンちえみさんには、そんなことのないように祈ります。

 

かく申しておりますアタクシも、そうならないように……てなことを例によって例の友人に言おうといたしましたら、

「キミの場合、忘れられる以前に、何かの実績を残して覚えてもらうことが先だよね」